30年以上、場所づくりに関わってきました。
「次の店を出したい」「今のやり方を変えたい」「家を整えたい」。ご相談は、たいていこうした一言から始まります。
けれど私が本当に聞きたいのは、その言葉の奥にある理由の方です。なぜ、次へ進みたいのか。そこさえ分かれば、つくるものは自然と決まっていきます。
18歳でこの業界に入りました。図面を引く人、材料を運ぶ人、現場を納める人。数え切れないほどの人と仕事をしてきて、分かったことがあります。図面には、その人のこだわりが必ず出る、ということです。たとえ設計が別の方であっても、線の引き方を見れば、どこに思いを込めているかは読み取れます。それを実際の形にしていくことが、私たちの仕事です。
ただ、現場は図面どおりには進みません。予算には限りがあり、既存の建物には事情があり、工期には終わりがあります。だから私たちは、全部を新しくするのではなく、残せるものは残し、お金をかけるべきところに集中することを考えます。派手にすることでも、ただ安くすることでもない。
そのちょうどいいところを、
一緒に探す。
それを私たちは「Just right design!!」と呼んでいます。見た目を整えるだけなら、誰でもできます。想いと、機能と、予算。その三つが噛み合う一点を見つけられるかどうかが、私たちの仕事の価値だと思っています。
そして、もう一つ。
私がここまで続けてこられたのは、自分の力ではありません。うまくいかない時期も、正直ありました。そのたびに、長く付き合ってくださった協力会社の方々、残ってくれた社員、声をかけてくださった方々に支えられてきました。
だから私は、仕事を
「人」から始めます。
空間をつくるということは、そこにいる人を喜ばせるということです。どれだけ立派な建物でも、そこにいる人が幸せでなければ、本当の意味で良い空間とは言えない。
そこで働く人が活きる。そこに集まる人が活きる。そして、地域が活きる。そういう場所を、一つずつ増やしていきたいと思っています。
自分の仕事に誇りを持ち、次を真剣に考える人と、率直に話したい。一つの場所が、誰かの働く場になり、あるいは家族の新しい時間を育み、また次につながっていく。そんな未来を、目の前の相談から一緒に創っていきたいと思います。
有限会社LEVEL 代表取締役長安 秀和